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2021年3月期決算を発表いたしました。

2021年3月期決算を発表いたしました。

2021年5月14日
大成株式会社
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経営成績等の概況

(1)経営成績に関する分析

①経営成績

<国内事業>

 当連結会計年度は2020年の早春に世界を襲った新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)により、我が国経済においても2020年4月~6月のGDPは戦後最大の落ち込みとなるなど、政治・経済秩序、産業や社会の構造、そして人々の意識や価値観までにも大きな影響を及ぼしました。ビルメンテナンス業界におきましても緊密に関わる不動産業界、ホテル業界、小売業界が受けた影響を連鎖的に受けるかたちで厳しい事業環境下のまま推移しました。
 このような状況下、当社グループの経営成績は、売上面につきましては、感染症の影響により、一部の事業で苦戦を強いられました。その最も大きな影響を受けたホテル客室清掃業務(セグメントはクリーン業務)は期初から第2四半期累計期間にかけて休業や著しい稼働低下により契約解除や業務内容の見直しなどが発生し、厳しい状況が続きました。第3四半期に入ると休業していたホテルが再開し、「Go Toトラベルキャンペーン」をはじめとする国や地方自治体による観光需要喚起キャンペーンにより、一時は回復基調にあったものの、同四半期後半から再び感染症の波が拡がったことで当社受託ホテルの対象年平均客室稼働率は前連結会計年度の半分程度まで落ち込みました。その結果、前連結会計年度比で46.3%の減少と大幅減収となりました。
 次に影響が大きかったリニューアル工事事業は、1年を通しビルオーナーや企業の設備投資控えの影響により低水準の受注環境が継続し、前連結会計年度比で25.7%減少となりました。また不動産ソリューション事業についてもスポーツ施設、貸館施設などの指定管理者物件が自治体から休業要請を受ける等厳しい対応を迫られ、前連結会計年度比で16.7%の減少となりました。
 一方、東京地区の大型オフィスビル、学校施設、西日本地区の新規オープンホテル等の新規受託に加え、感染症対策への随時売上や設備管理に付随する随時売上の受注は順調に進みました。
 利益面につきましては、売上の減少に伴う利益の逸失と受託ホテルの柔軟な人員調整(休業・再開・キャンペーンや緊急事態宣言による稼働の大きな“うねり”への人員対応)がままならず、労務原価が上昇する労働集約型事業特有の課題に苦慮しました。
 一方で前連結会計年度に獲得した新規受託物件の期初からの寄与や利益率の高い随時売上の増加、雇用調整助成金等の支援により増益となりました。

<海外事業>

 当社グループの連結売上高の10.8%を構成する海外事業においても感染症の影響は大きく、特にシンガポールやベトナムにおいては苦戦となりました。
・Care Vietnam Joint Stock Company(ベトナム)は、工場や空港施設等の大型の新規物件を獲得したものの、感染症による国内景気の低迷から解約や値下げ要請が多く、また政府から助成金等の支援もなかったため、原価率及び販管費0率が上昇し、減収減益となりました。
・Razor Glory Building Maintenance Ltd.(香港)は、新規に5棟のホテルとレジデンスの複合施設の共用部清掃を獲得したことにより前連結会計年度比25.3%の増収となりましたが、感染症の影響により労働力の確保に苦戦しました。また感染症に対する政府の助成金援助も支給されましたが事業収支としては微増にとどまり、固定資産の減損損失を計上したことで最終利益は減益となりました。
・C+H Associates Pte Ltd.(シンガポール、以下、CH社)は、前連結会計年度第3四半期より連結を開始しており、当連結会計年度は期初から収支に加算されることで137.6%の増収となりました。シンガポールでは、同社の第2四半期累計期間までロックダウン等の規制の影響により、受注環境は大幅に悪化しました。また政府からの助成金支援はあったものの、外国人労働者不足による労務費単価の上昇と輸入取得する工事用資材費の高騰により、利益を圧迫しました。

 結果、連結売上高は247億6百万円(前年同期比6.7%減)となり、連結営業利益は感染症の影響により出張、打合せや接待などの事業活動の減少と、広告費等の変動費を中心に経費縮減に取り組んだことにより5億45百万円(同91.5%増)、連結経常利益6億67百万円(同77.5%増)と増益となりました。
 また特別利益として投資有価証券売却益及び投資有価証券評価損戻入益を計上し、特別損失として東京本社の事務所移転に係る減損損失を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3億45百万円(同207.1%増)となりました。

セグメント別の概況は次の通りであります。

ビルメンテナンス事業

(クリーン業務)

 クリーン業務につきましては、新たに東京地区の大学施設、大型オフィスビル、名古屋地区・大阪地区・福岡地区においては新規にオープンしたホテルを中心に受託しました。既存物件においては、お客様の感染症対策意識が高まり、抗菌・防菌・消毒といった随時売上の獲得が順調に進みました。しかしながらホテル業務が自社運営に移管することによる解約や不採算化した受託物件からの撤退及び著しい稼働の低下により、売上高は135億19百万円(前年同期比11.0%減)となりました。
 利益面ではオフィスビルを中心に人員配置の厳格化や作業の平準化、計画性を高めることで収益性の向上に努めました。また感染症により打撃が大きかったホテル業務の労務原価は、その一部を特別損失へ振替えたことも事業利益に寄与し、営業利益は18億63百万円(同17.5%増)となりました。

(設備管理業務)

 設備管理業務につきましては、前連結会計年度に獲得した新規受託物件が期初から寄与し、契約改定や随時契約の獲得も順調に進捗しました。また前連結会計年度第3四半期から連結子会社となったCH社が期初から寄与したことにより、売上高57億89百万円(同8.1%増)、営業利益3億39百万円(同40.6%増)となりました。

(セキュリティ業務)

 セキュリティ業務につきましては、既存物件の契約改定が順調に進み、監視カメラT-Viewの随時売上(販売・工事)も堅調でした。またオフィスや博物館等の受付業務を請負う国内子会社大成ヒューマンリソース株式会社が堅調な新規受託に伴い売上・利益の双方に寄与し、売上高33億29百万円(同1.7%増)、営業利益2億76百万円(同8.2%増)となりました。

 従いまして、ビルメンテナンス部門の売上高は226億37百万円(同4.9%減)、営業利益は24億78百万円(同19.0% 増)となりました。

リニューアル工事事業

 リニューアル工事事業につきましては、感染症拡大の影響により、当連結会計年度を通して企業の設備投資控えが継続し、低水準な受注環境で推移しました。売上高は12億20百万円(前年同期比25.7%減)、営業利益42百万円(同57.4%減)となりました。

 

不動産ソリューション事業

 不動産ソリューション事業につきましては、感染症拡大の影響により、当連結会計年度のスタートからスポーツ施設、貸館施設などの指定管理者物件が休業となり、再開後も稼働の回復には至らず厳しい事業環境でした。これに対し、受託元の地方自治体から休業要請対応の売上補填や管理施設の感染症対策費として事業支援金が支給されたため、売上高は8億48百万円(前年同期比16.7%減)、営業利益は43百万円(同124.9%増)となりました。

③次期の見通し

 次期の見通しにつきましては、人口減少・少子高齢化といった社会課題への対応や新型コロナウイルスの感染症によって大きく変化した経済・社会に順応し、近い将来の事業のパラダイムシフトを目指すべく、2020年4月より開始いたしました第7次中期経営計画「Ready For Change」の基本方針を着実に実施していく所存です。
 当計画は大きく以下の3点を基本方針としております。
 ・事業ポートフォリオの見直しによる基盤事業の収益性向上
 ・第二、第三の柱となる事業を創出し、近い将来に主軸となる成長エンジンを萌芽
 ・組織、社内制度の刷新による効率化・合理化を追求した経営基盤構築
 これらの基本方針を確実に実行し、変革スピードを加速するための経営基盤構築に取り組んで参りますが、各施策を推進するためには、中長期的に成長を促進するためのデジタル化分野や不動産周辺事業、さらなるグローバル展開などへの積極的な投資や大胆な事業の改革を実施することが必要であると考えております。しかしながらこれらの取組は、短期的には当社グループの財政状況や業績が悪化する懸念があることから、当社グループを非公開化することが有効であると判断いたしました。
 以上の方針のもと、2021年5月13日公表の「株式併合及び定款の一部変更に係る承認決議に関するお知らせ」のとおり、一連の手続きを経て2021年6月15日をもって上場を廃止する予定であることから、2022年3月期の業績予想を記載しておりません。

以下、詳細につきましては、添付開示資料をご覧ください。

本件に関する問い合わせ先

会社名 大成株式会社
代表者名 代表取締役社長 加藤憲司
コード番号 4649 名証第2部
問い合わせ 常務執行役員コーポレート本部長 中島 武久
電話 052-242-3223

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