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「アイデアグッズ大賞」入賞!実用化済みの〇〇〇〇〇。開発秘話に迫る

専門職・技能職ブログ編集人の下平です。
業界では知られる月刊ビルクリーニング主催の『アイデアグッズ大賞』。今年は当社から38件のアイデアを応募、8作品が入賞しました。(画像:入賞作品)

どの作品も「その手があったか」と思わせるアイデア。手軽に入手できる材料を使ったことで、さまざまな現場で採り入れやすい点も魅力です。
今回は、入賞作品の中から2作品の開発秘話を紹介します。

コンセプトは「誰でも簡単に作れる物」

まずは「らくらくショルダー」(考案者:チーム榎本)。ハンディタイプのバキュームクリーナー(掃除機)に肩掛けベルトを取り付けるというシンプルなアイデア。当社のクリーンメンテナンスの現場には高齢者のパートさんも多く、作業負担の軽減が課題のひとつです。
榎本将宣さん(FM第1セクター)によれば、「両手が塞がっている状態で、階段を登り降りしているパートさんの姿を見て危ないと思った」ことがきっかけ。長時間のクリーナーがけは腕が疲れる。「肩に掛ける形なら、安全で疲れも軽減できるのでは💡」とひらめいたそう。
肩掛けベルトを付け、両手が空き、転倒リスクの減少と腕や腰の負担も軽くなるという作品に、スタッフとの共同制作で仕上げました。
さて、このベルト、本来の使用目的は何だと思われますか?
実は、スーツケースに巻くためのベルトです。肩に負荷がかかりにくそうな幅のベルトを探していて思い付いたのだとか。
丈夫で長さも調整できる優れモノです!

きっかけは、スタッフへの思いやり

狭いところを清掃する機材に背負い式クリーナーがあります。
このクリーナーで自分も作業していた山根智子さん(FM第1セクター)は、この機材を使う女性スタッフみんなの作業風景を見ながら、「重い(約4.5㎏)!何とかならないの?」といつも思っていました。
ある日、仕入先の営業担当者の方との話で、偶然その話題になりました。「背負い式クリーナーとハンディタイプのクリーナー、吸引力はほぼ同じ」と聞き、山根さんは「だったら、ハンディクリーナーを背負い式にできないか💡」と思い付いたそうです。

「何かいい方法はないかなぁ」。頭の隅にそのことが引っかかっていたある日、ペット用の抱っこひもが目に入りました。
「これだ!」とまたまたひらめき💡が。「抱っこひもの尻尾を出す部分からクリーナーの柄を出せばいい!!」。早速試してみると、ちょうどすっぽりはまりました。
開発はこれで終わりません。「柄が筒状では座席の下の清掃ができない。曲げ伸ばしできるものはないか・・・」と、今度は上司や同僚も巻き込んで探しました。そうして見つかったのが洗濯機用のホース。クリーナー本体と接続し、パイプとの接続部分にノズルホルダーを装着しました。
「パートさんたちと話し合いながら、試作して、使ってみて、改良して・・・を繰り返し、納得いくものができました。」と山根さん。
現場で愛用中だそうです。

ご紹介した2作品とも、「何とかしてあげたい」というスタッフへの思いやりを感じるアイデアグッズ。
完成への過程でスタッフと一緒に取り組んだことで、職場の雰囲気も一層良くなったそうです。
「思いやりは発明の母」(『はつめいだいすき』(BL出版))です。